知能訓練は、年長組、小1組、小3・4組の3グループに分かれて、毎日午前10時から1時間行った。

年長組の課題は、ジオボードです。
1日目 正方形の板にかなづちやドライバーを使ってねじ釘25本を取り付ける。
2日目 作ったジオボードに色の輪ゴムをかけて課題に示された形を作る。
3日目 応用課題

小1組の課題は、組み木つくり。
1日目 1~5の長さの角材を組み合わせてボンドで12のパーツを作り、全部を長方形の枠にはめ込む。
2日目 そのパーツを使って課題の形を形成する。
3日目 応用課題 かなり難しい

小3・小4組の課題は、箱庭つくり。
1日目 どんなものにするか構想を練る中で、今いる場所をモデルにするという案が出てくる。現場は、標高1000m以上の地点。外に出て地形がどうなっているか、村落がどんなところにあるか、観察してから図面にいろいろのものを書き込む。
2日目 いろんな材料で物の形を作る。大きさの比をどう調整できるかが課題。
3日目 地形を決める。山を作り、道や川や田畑を書き込む。(創作)
4日目 年長、小1を加えて全員で作りこむ。

各年齢とも、普段の授業ではできないことに挑戦させることが狙い。
今までになく少人数なので学年別では勢いが出ないので、9名の合作ということで、1m四方の箱庭に全員の力を盛り込むことにした。
どんなものを配置するかというのは、拡散思考を要する。
配置するものとして、たくさんの動物たちのほか、自販機、バス停、自転車に乗る人、川には橋、道路には信号機といった付属物まで、ユニークなものがたくさん出てきた。中には、宇宙好きの小3男子が、どうしたら宙に浮かせることができるか考え続けていた木星や、小1男子がペーパーを裂いてすだれのように作った雨など奇抜なアイデアも出てきた。標高差800m程、縦横5km位の場面なので人や動物が形として存在するはずはない。まして木星がその上空に姿を現すはずはない。「丸い木星はどうしたらぶら下げることができるか」という疑問は出たが、スケールの不合理はあまり問題にされない。よく見かける子供の絵には家より大きな人や動物があり、太陽が燦然と輝いている。自分を中心とする世界に、子供が存在を認めているものが平等にあることを主張しているのだろう。かくして、工夫の結果、長い竹ひごの先に木星を掲げ(これもかなり工夫していた。)箱庭のふちに立てて完成したのである。いつかこれを懐かしく思い出す日が来るだろう。すだれ状の雨は支持者が出ず、作った本人も忘れてしまった。「○○に比べて□□が大きすぎるだろう」という大人の言葉は飲み込むことにした。4年生は卒業制作として「富士山5万分の1パノラマ」を地勢図から起こして作成する。作りながら人間の小ささを知り、30時間近い奮闘のうちに自分の有能感を築いていく。

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